秋の味覚とは
日本では、秋に美味しいものがたくさん収穫されるため、その食材を秋の味覚と呼んでいます。
この時期の米は新米と言われ、瑞々しく美味しいのが特徴。
栗やかぼちゃは、今や秋のスウィーツの代表格になっています。
秋本番に実る柿やりんご、なし、栗など秋の実りは身近にも多くあります。柑橘ではみかん、すだちやかぼすが実り、柚子も緑から黄色に色付き、秋の料理に香りを添えます。
山では松茸をはじめ、色々なきのこが収穫され、畑ではさつま芋、里芋や長芋、れんこんなど根菜が収穫され、様々な食材が食卓を賑わしてくれます。
注目したい秋の食材と栄養的な特徴
秋の食材は一般的に栄養が豊富なことでも知られています。身体から温める食事へと変化する時期に気になる食材の特徴や栄養についてご紹介します。
米
日本各地でお米のブランドは色々ありますが、米の種類はジャポニカ米になります。欧米では、お米は野菜のように使うため、さらりとした種類のお米です。新米は瑞々しいので、通常1割ほど水を減らして炊きます。糖質が多く、早くエネルギーになる力がありますが、摂り過ぎには注意してください。
きのこ類
生椎茸やぶなしめじは食物繊維や代謝を助けるビタミンB群、日光にあたればビタミンDに変わるエルゴステロールという成分を含んでいます。天日に当てて、大豆製品などカルシウムを含む食品と一緒に摂ることで効果が高まります。えのき茸もビタミンB群の他、ナイアシンも多く含んでいます。
芋類
さつま芋はビタミンCや食物繊維、ビタミンE、皮には抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれます。皮ごと食べるのがおすすめです。里芋は低カロリーで、食物繊維やたんぱく質も含まれます。山芋は、粘り成分はムチンやマンナンは水溶性の食物繊維で、胃腸の粘膜を保護します。
れんこん
ビタミンCが多く、糖質の代謝に使われるビタミンB1も含まれています。食物繊維が多く、粘り成分ムチンも含まれます。芋類と同じく、加熱してもビタミンの損失が少ないのが特徴です。
かぼちゃ
かぼちゃの栄養は広く知られています。相互作用で抗酸化作用が高まる、ビタミンA、C、Eが多く含まれています。
柿・りんご
柿は日本原産のフルーツ。葉も含めて、ビタミンCが豊富です。りんごは、人類が食べた最古の果物と言われ、糖質だけでなく、ビタミンや食物繊維、ポリフェノールを含んでいます。皮の赤色はポリフェノールなので、皮ごと食べるのがおすすめです。
秋鮭
鮭はたんぱく質やビタミンDが豊富です。秋鮭は日本近海で秋に獲れる鮭。他に養殖のトラウトサーモンや銀鮭など広く出回っていますが、この時期ならではの秋鮭は生で売られているので、アレンジもしやすくおすすめです。
秋刀魚
たんぱく質やミネラル、注目の脂質DHAやEPAも多く含んで脂がのるので、秋の貴重な主菜でした。近年、不漁が続き、食卓から遠ざかっていますが、手に入った時は、ぜひ味わって頂きたい旬のお魚です。
秋さば
秋に脂がのってきたさばを、秋さばと言います。たんぱく質や脂質DHAやEPAも多く含んでいます。缶詰などを活用するのもおすすめです。
秋の味覚を楽しむ料理のコツ
きのこ
きのこは下処理が簡単で火が通りやすく、和洋中どの料理にも使われています。栄養的な組み合わせとしては、カルシウムを含む味噌、豆腐などの大豆加工品、牛乳などの乳製品がおすすめ。加熱のポイントは、火を通しすぎないで食感を残すことです。
さつま芋
さつま芋は加熱をしても、ビタミンが壊れにくいので味噌汁や天ぷら、おやつにも。そのままの形を生かして皮を残すレシピがおすすめです。
かぼちゃ
かぼちゃはつぶしてスウィーツやスープに、皮付きで煮物や汁物にと幅広く使えます。カロテンを多く含んでいるので、適度の油とともに調理すると、脂溶性のビタミンAやEの吸収が高まります。
秋鮭
秋鮭はたんぱく質もビタミンDも豊富。乳製品や大豆加工品の味噌などと一緒に調理するのがおすすめ。和風では柚子に漬け込む幽庵焼き、きのこの南蛮も。
秋の味覚をたっぷり食べて、
冬に備える食習慣
1.秋の食材を上手に使ってビタミンやミネラルを補給し、血行を促進して風邪を引きにくい、身体を作りましょう。
2.食物繊維の多い旬の野菜や果物をたくさんとって、胃腸の環境を整えて、消化吸収力を高めましょう。
3.身体を作るために、必要な栄養を上手に取り入れて、筋力作り、骨作りを意識した食生活と運動を含めた生活習慣をととのえましょう。
秋は体づくりにふさわしい季節。栄養を少し意識し、美味しいものを頂きながら体力をつけ、冬を迎える準備を始めましょう。
株式会社 FarmTable
栄養士 本川洋子