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“化粧のり”ってどういう状態!?肌とゆっくり対話をすれば問題なし

監修:皮膚科専門医 岩本麻奈先生

普段、何気なく使っている“化粧のりが悪い”という言い方。本来はどういう状態を指すのでしょうか。化粧のりの悪化は、合わない下地、角質(キメ)の乱れや保水力の低下、パフの劣化、あるいはうぶ毛などが原因で、肌とファンデーションの間に隙間ができて、密着性が緩くなることによって起こります。

パウダーファンデーションでカバーしようとしても、粉がケバだって上手にのらない。ムラが生じることで、必然的に今度は化粧崩れも起こりやすくなります。化粧のりと化粧崩れは、ワンセットでとらえるべきテーマです。

“なぜか化粧のりが悪い”そんな人の意外な共通点。

目立った肌荒れも起こしていないのにこのトラブルを抱えている人の多くには、肌の健康状態や肌質、化粧のテクニックを問題にする前に、意外な共通点があったりします。

たとえば、洗顔をするときに、泡立てやすすぎが不十分なままフィニッシュしてしまったり、続くスキンケアで、化粧水や乳液などの使用するアイテムを肌にしっかりなじませきらないまま、パパッと手早く済ませてしまったり。メイクをするときも同じで、なじみきっていない基礎化粧品の上にあわててメイクをのせようとするので、成分同士が混ざってよれやすく、ムラができることに。少しばかりせっかちなタイプの人が、おちいりやすいトラブルといえるでしょう。

基礎化粧品をじっくりとなじませないで、焦りながらどんどん次のステップに進んでしまう人は、結局、自分の肌にゆっくりと触れていないわけですね。ということは、肌の状態の微妙な変化をキャッチする暇もないわけです。目を閉じて、触覚を研ぎ澄ませて、肌と対話してみましょう。

自分のお肌と向き合う、“ゆとり”を大切に。

いつもより時間をかけて洗顔、スキンケア、メイクをする。目を閉じて視覚情報をシャットアウトしてみる。そんなシンプルな所作で、化粧のりの悪さ、さらには、化粧崩れを防ぐことができるはず。
それでも化粧のりの悪いときには、最近はサンプロテクト効果の高い化粧下地やスキンケア成分オールインワンタイプの下地もあるので、上手に活用するのも一石二鳥ですね。「化粧のりが悪いな」と感じたら、それは肌からの一呼吸を求めるサイン。ゆっくりと自分の肌事情と向き合ってみるゆとりを持ちましょう。

岩本麻奈

東京女子医科大学卒。慶應義塾大学医学部皮膚科教室の研修後、市中病院勤務を経てフランスへ。現在、フランス、日本、ASEAN諸国をベースに、人・健康、生活スタイルに関する情報を収集し、独自の視点を交えて発信している。
【岩本麻奈 オフィシャルブログ 『はだぢから開発室・分室』 Powered by Ameba】